Nov 07, 2015
Z33ギア比考察
計算そのものよりもブログ化に時間を取られたまるそうデス。結構バリエーションあるのね〜。
というわけで、某氏からのご依頼でフェアレディーZ Z33のギア比について考察してみました♪。でも、ギア比と言いつつもまずはエンジン出力のお話。
まず、Z33ですがEg出力的には3種類に分類できるようです。
前期 280ps/6200rpm、37.0kgf/4800rpm、limit 6600rpm 2005年9月まで
中期 294ps/6400rpm、35.7kgf/4800rpm limit 7150rpm 2007年1月まで
後期 313ps/6800rpm、36.5kgf/4800rpm limit 7650rpm HRエンジン
お話をきいた限りでは出力特性的には前期のようですので、パワーバンドは4800rpmから6200rpm、レブリミットは6600rpmという感じ。
お次はギア比。Z33純正ミッションのギア比とステップ比は、
1速 3.794
2速 2.324,0.615
3速 1.624,0.699
4速 1.271,0.783
5速 1.000,0.786
6速 0.794,0.794
サーキット走行中で大事な4,5速のステップ比を見ると0.78。なので、シフトアップ時前の回転数の発生トルクが、シフトアップ後の回転数の発生トルクの78%以上あるトコロでシフトアップしたい。で、トルクカーブをみると6400rpmでも30kgf以上のトルクが出ている。ピークトルク37kgfの78%が約29kgfだら、6400rpmまでは回してもよさそうだ。でもその先は急激にトルクがしぼんでいそう。
お次は各ギアと車速の関係を表計算ソフトで計算。
各ギアのパワーバンドにおける車速と、6400rpmまで回した車速は下記の感じ。
1速 45〜58〜60km/h
2速 74〜95〜98km/h
3速 106〜136〜141km/h
4速 136〜174〜180km/h
5速 171〜221〜229km/h
6速 216〜279〜288km/h
これをファイナル4.1に変更すると、
1速 39〜50〜52km/h
2速 64〜82〜85km/h
3速 91〜118〜121km/h
4速 116〜150〜155km/h
5速 148〜191〜197km/h
6速 186〜241〜248km/h
スリップロス0でコレ。実際には5%ぐらいは割り引いて考えるべきでしょう。
で、問題はSUGOを走るときはどっちがベターか。ココからは車両の走行データが必要なのですが、Z33のデータは持ちあわせがないので、ウチの黒FD君のデータで代用してみました。ブーストアップ、ラジアル、1分36秒後半ぐらい。
このグラフに、さっき作った各ギアと車速のバンドを色分けします。
ノーマルギア比だと、
とすると、ノーマルギア比だと、1、2コーナーのボトムは2速がトルクバンドだけど、1-2コーナー間は2速ではレブリミット、3速へ上げる時間は無い感じ。レブリミット直前でアクセルを抜くパターンかなぁ。
3コーナーはジャスト3速。
4コーナー進入手前で4速、ブレーキングで3,2と落としす。
S字は2速のままレブ直前で抜けて、スグ3速。
ハイポイント手前で4速に入って、ブレーキング3速。
ハイポイントーレインボー間は3速ホールドで、レインボー侵入で2速。
バックストレート中に5速まで上がって、馬の背で2速まで落とす。
SP−INまでに3速に上げて、SP-INもOUTも3速ホールド。
最終コーナーで4速に上げて、4速ホールドで最終コーナー。
ホームストレートで5速にあげて、1コーナー飛び込み。という感じ。
これが4.1ファイナルだと、こんな感じ。圧倒的に2速の出番が無くなります。その代わり、6速が登場。
1,2,3コーナーまで3速ホールド。
4コーナー前に4速にあげて、4コーナー進入で2速まで落とす。
S字進入前に3速に入れて、3速ホールドでS字通過。
ハイポイント前に4速入って、ハイポイント進入で3速へ落とす。
ハイポイント、レインボー脱出まで3速ホールド。
バックストレートで6速まで入って、馬の背で3速まで落とす。
SP-INまでに4速入って、SP-IN進入で3速へ落とす。
SP-OUTまでに4速入って、SP-OUT進入で3速に落とす。
最終コーナー進入までに5速はいりかけるけど、入れずにレブ直前でアクセルコントロール4速ホールドで最終進入。
最終中に5速に上げて、ホームストレート前で6速。という感じ。
こうして比較すると、2速を程ほど使用してSP以降が楽なノーマルファイナルと、2速は4コーナーのみで序盤が3速ホールドで楽な4.1ファイナル、という感じですね。
4.1ファイナルは6速まで使うのがネックに感じられますが、実は高速部分の加速力が落ちる事は、それほどタイムには影響がありません。ソレよりも大事なのは低速部分。
4.1ファイナルでは2速をほぼ封印する事になるので、レインボー、馬の背の蹴りだしがやや不足する感が。ただ、VQ35エンジンは高い回転数でのトルクのドロップが大きいですが、逆に下の回転数では広いトルクバンドを誇ります。3000rpmを超えればピークトルクの90%程度は出力しているので、下の回転を活用するのも有効そうです。
下のギアで6600rpm回してトルクが27kgfぐらいに細るなら、上のギアで4000rpmまで落としてでも35kgfだしせばステップ比0.78前後あれば同等以上の加速をする事に。
そう考えると先ほどのカラー帯は下側にさらに伸ばしていいことに。
うーむ、やや4.1の方がよさそうにもみえるけど、大きな差は無く甲乙付けがたいなぁ(遠い目)。ウィークポイントとストロングポイントがソレゾレにあるのが悩ましいトコロ。
ついでに、Sタイヤ履くならうちの黒FD君よりもコーナリング速度は10%程度は上がってくるだろうから、さらに際どい速度の部分が結構出てきちゃう。
・・・これ以上の考察は手元のデータだけでは難しそう。やっぱり趣味レーターで各ファイナルでの走行実験してみたほうがよさそうデスね(ニヤリ)。
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